中小企業に有用なミニマムな事業計画 【オンライン事務代行アウトソーシング・サービス 『ジム楽』ブログ】

オンライン事務代行アウトソーシング・サポート「ジム楽」のコッティです。

前回のブログでは事業計画の概要についてご説明しました。今回は、中小企業における事業計画を作る事のメリット・有用性についてお話しようと思います。

大きな会社が作っているような手間と時間をかけた精緻な事業計画を作るのは、中小企業にとってはとてもハードルが高いでしょうし、費用対効果で見るとその必要性もあまりないと思われます。一方で、下記の観点からは最低限のミニマムな事業計画があったほうが良いと言えます。

エクセルを使って簡単に年間の着地予測値を出す方法についてはこちらのブログをご参照ください。
エクセル月次推移表で経営数値の年間の着地予測値を簡単に算出

1.年間の決算の予想数字(着地)を毎月出すの理想であり前提

決算書が出来上がるタイミングは、通常は、税金の申告期限である決算日の2ヶ月後の少し前になります。その時点になってはじめて1年間の経営成績である決算の数字、売上高や粗利益がどれだけあって、それから経費を差し引いた営業利益や最終利益がどうなっているかが分かるというのは、経営数字を把握するタイミングとしては非常に遅いと言えましょう。その理由は以下のようなことに集約出来ます。

2.税金対策が可能となる

決算日が過ぎた後の税金の申告期限の少し前である決算日後の2ヶ月後近くになって、税金の支払いは500万円です、と言われたら、ちょっとびっくりするかもしれませんよね。びっくりするのはどうしようとないとしても、決算日を過ぎたあとでは適切な税金対策もできません。

一方、毎月それなりに月次で会計帳簿を付けておいてざっくりでも良いので月次決算をして、既に経過した月の実績の数字に、まだ経過していない月の計画の数字を合算することで、年間の決算数字の見込みを計算することができます。

その結果、今回の決算の申告で払う税金の支払の概ねの予測額が決算よりも前の段階で時間的余裕を持って分かるので、適切な節税対策がやり易くなります。例えば、本来は来期に買い替えしようと思っていたパソコン10台を当期に前倒しして購入して入替することにより、有意義に税金を減らすことができます。スタッフを労うために社員旅行にいったり、臨時賞与を支払ったり、少し質の高い研修などをスタッフに提供するのも良いかもしれません。

大事なのは、決算日よりも前にサービスやモノの提供を受けなければ当期の経費として認められないということです。そのためには、時間的な余裕を持って決算数値の着地予測と税金の支払額の予測を行うことです。

3.銀行などの金融機関に向けての対策が可能となる

上記①とは数字の方向性が逆になるケースをイメージして頂けたら良いのですが、いざ決算の数字が出たら、えらい赤字になっていた、というケースです。いつでもビジネスのアクセルを踏見込めるようにしておくためには、毎期黒字であることに越したことはありません。そうならば銀行などの金融機関から融資を受けられる可能性が高まるからです。しかし、決算日を過ぎた後では、赤字を回避するための適切な手段はあまりありません。

一方で、決算日前に余裕を持って年間の着地予測を毎月確認していれば、本来使うつもりであった広告費を少し抑えたり、接待活動を控えたりと、ある程度の対策が可能となります。

4.ビジネス自体の軌道修正の必要性がはっきりする

これがある意味で計画をつくる最大の目的かもしれませんが、計画と実績を毎月比較することで、ビジネスの進め方の軌道修正を適切に行うことが可能となります。

数か月続いて売上や粗利益などの数字が計画を下回っているならば、当初の想定がなにか間違っていたということになります。もっと今の営業を強化するのか、営業の方法を微調整するのか、値段を見直すのか、などの対策を検討して実行する必要があります。

もしくは、喜ばしくも計画を上回っているならば、当初の想定が保守的過ぎたのでもっと計画を楽観的に修正して、より前向きな投資的な支出を増やすことを検討するなど、アクセルを踏むほうが良いのかもしれません。

 

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