事業計画はベタながら作るに越したことありません 【オンライン事務代行アウトソーシング・サービス 『ジム楽』ブログ】
オンライン事務代行アウトソーシング・サポート「ジム楽」のコッティです。
「事業計画を作りましょう!」という誘いを受けたことはありませんか?でも、なんか難しくて手間が掛かりそうだから結局やらなかった、もしくはあまり意味があるとは思えなかった、というかたは、このブログがお役に立つかもしれません。
Table of Contents
1.「事業計画」という言葉の意味
「事業計画」という言葉は、いろいろな意味で捉えることができますし、他の言葉と入れ替えも可能です。ざっといくつか思いつくままにピックアップすると、事業予算、事業予測(シミュレーション)、経営計画、事業目標、実行計画、実行予算などがあります。どこまで厳密に言葉の意味を定義するかに左右されますが、これらすべてを事業計画という言葉で表す場合もあります。
2.いろいろな事業計画
事業計画は、捉える側面に応じて、下記のように分類することができます。
(1)期間(スパン)の長さでの分類した事業計画
その計画が対象とするスパンや期間の長さで下記のように分けることができます。
①長期事業計画(経営計画)
概ね5年~10年程度の期間を対象にした計画のことを指します。近年は、ビジネス環境の変化が激しいため、このような長期の計画の有用性はあまりないと考える傾向が増しています。一方で、厳密に計画とは言えないかもしれませんが、もっと長い30年50年100年先を見越してビジネスの種を仕込んで育てる視点が必須と考え学者などの専門家も交えて議論を尽くしている組織もあります。
②中期事業計画
概ね3年~5年程度の期間を対象にしたものです。こちらは今でもそれなりに作成・利用されています。
③年度(年次)事業計画、短期計画
1年間の計画を言います。ある程度の規模の組織はほぼ毎年この年度計画を作成・運用しています。
④月次(月度)、四半期事業計画
一月単位、もしくは、3ヶ月である四半期単位での計画のことです。これは通常は上記③の年度計画の一部、構成要素として扱われます。
(2)対象となる事業の内容で分類した事業計画
①新規事業についての事業計画
今から始める新しいビジネス、新規事業についての計画のことです。この計画を作成する難易度はとても高いです。なぜならすでに数年数十年のノウハウがある既存事業と異なり、事業についての過去のデータが存在しないからです。新規ですから当たり前の話ですが。そのため、同じ業種の統計データ、他のビジネスの社内データ、感覚などを基に経営計画を作らざるを得ません。そのため、計画の数値と実際の実績数値が乖離する可能性が高くなります。
②既存事業についての事業計画
既に何年も運営している既存ビジネスについての計画は、上記の新規事業と異なり、自社内に過去の実績データがあるので、それなりに確信度の高い計画の作成が可能となります。
(3)対象となるプロセスに応じた事業計画
対象となるプロセスに応じて、事業計画は下記のように細分化されます。
①販売・利益計画(売上プロセス)
売上と利益にスコープした計画が、販売・利益計画となります。こちらはさらに部門や営業マン単位に細分化がされます。
②経費計画(予算)
交際費や広告費、消耗品、派遣費などの事業を行うに伴い発生する変動的な要素の強い経費の計画や予算です。これらは①の利益の水準に応じて計画され、実際の使用状況が毎月などのスパンでチェックされるのが望ましいです。
その他に、修繕予算などもあります。また、①と②を統合した全社的な経営計画も一般的です。結局は、一番わかりやすい形として売上、粗利益、経費、利益の全社的な計画があり、それをブレークダウンすると①の販売計画や②の経費予算になる、と考えるとわかりやすいかもしれません。
3.事業計画の目的
事業計画の目的も様々なものがあります。
(1)語るための指針としての事業計画
この事業計画も、語る対象が多岐に渡ります。
①社内に向けて語るための事業計画
会社などの組織の目標を数字に乗せて語るために必須なのが事業計画です。「1年後にはこうなるようにみんなでがんばろう!」と社内で目標を共有して、一致団結してビジネスを邁進していくためには事業計画が有効であると言えましょう。
②社長が自分自身に語るための事業計画
社長一人だけの会社であっても、社長が自分自身の目標を明確にしたり、将来の数字を試算したりするためとして事業計画は有効なツールとなります。
③外部に語るための事業計画
社内の枠を超えて外部まで巻き込んだ動きをする場合には、事業計画を外部にも公開して語り掛けることになります。そして、その目的に応じて語り掛ける相手が異なってきます。
a.金融機関や投資家などのお金を出してもらう場合に必要な経営計画
事業を始めて直後の創業時の創業融資の時は、日本政策金融公庫などから必須の資料として経営計画を求められます。不幸にも事業が不振になって銀行などからの既存の借入の約束通りの返済が難しくなった場合に当初の返済条件を変更してもらうこととなりますが(いわゆるリスケ)、その際には必ず経営計画の提出を求められます。
また、順調なベンチャー企業が更なる躍進のために新たな資金を集めたい場合は、ファンドや大企業や個人などの投資家から資金を調達するケースがありますが、その際にも詳細な事業計画が必須となります。
b.販売代理店やフランチャイズ加盟店などの募集を行う場合に必要な経営計画
アクセルを踏んで事業を拡大する際に、代理店やフランチャイズの加盟店などを広く集めることなどがあります。その際には、加入を検討している人たちが納得して加入したくなるような事業計画が必要になります。
(2)達成目標の実現性を高めるための事業計画
こちらはどちらかというと「予算」と呼んだほうがしっくりくるかもしれません。会社などの組織で毎月、四半期、半期などのスパンで年間の売上や粗利益などの売上や利益の目標と実績数値の進捗を確認し、経費のコントロールを実施するためには、目標としての事業計画が立てられていることが前提となります。
(3)資金繰りなどの将来数値を予測するための事業計画
毎月の支払を滞りなく行うためには、数か月などの将来の資金繰りを予測する必要があります。その際には、毎月の売上や利益、経費などの計画が必須となります。
また、決算月の2ヶ月後に支払う必要のある法人税・所得税や消費税の額をある程度予測するためには、月次の計画を基に数字を試算しなければなりません。さらに、金融機関から新たな資金の調達をいつでもできる状態にしておくためには、それなりの経営数字を決算書で提示する必要があり、決算をしたらこんな数字でしたという結果論で金融機関に臨むのではなく、年間の決算数値の見込み進捗管理を毎月行うのが望ましいです。
今回は事業計画の概要についてお話しました。次回は、中小企業が事業計画を上手く使って利益をあげる際のポイントについてお話します。
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